VISOR

EPISODES

2014年、突如、月周回軌道上に現れた異星人・ペドラーは、地球人類に「通商」を呼びかける。
1,000キログラムの石灰岩と引き換えに彼らが提供したのは、意識制御型作業機械・エグゾフレームだった。その汎用性と廉価性ゆえに発展途上国を中心に爆発的に普及し始めたエグゾフレームは、やがて戦場でも有用性を発揮、既存の兵器を「時代遅れ」のものにしていく。

一方、変わりはじめた世界に対し、アメリカ合衆国を初めとする先進諸国は、自国の産業保護などを目的に、エグゾの利用を規制。その軍事的可能性も目を背けるばかりだった。そんな政府の姿勢に危機感を抱いた合衆国海兵隊の一部隊員は、エグゾが世界に及ぼす影響の調査を独自に開始するが、彼らの前に、ドクロのエンブレムを付けた謎の部隊、アウトキャスト・ブリゲードの姿が見え隠れする。

O01 OUTCAST

SOMEWHERE IN SOUTH AMERICA - 2023

2014年、月周回軌道上に出現した異星人ペドラーは、石灰岩による通商の対価に意識制御型ロボット・エグゾフレームを地球にもたらした。優れた汎用性と圧倒的な低廉性をもったこの異星のテクノロジーは、やがて軍事兵器としての可能性を見出され、既存の世界秩序を破壊し始めた……。 そして2023年、世界情勢は混迷の極みにあった。南米ではエクアドル・ペルー間の紛争が、南アメリカ大陸全土、そしてアメリカ合衆国にまで波及しようとしていた。その紛争の最前線に、空挺降下による不正規戦にて、これを阻止せんとするエグゾフレーム部隊があった。 それは存在するはずのない、アメリカ合衆国海兵隊の武装偵察エグゾフレームだった。混沌に沈もうとする歴史の流れに抗おうとする彼らの前に、謎の部隊、アウトキャスト・ブリゲードが立ち塞がる。

  • 脚本:虚淵 玄(ニトロプラス)
  • 絵コンテ:篠田周二(武右ェ門)
  • 演出:山田裕城(武右ェ門)

O02 BOWMAN

CABINDA - 2015

2015年。異星人・ペドラーが、エグゾフレームと石灰岩による「通商」を開始してから約一年。先進諸国は、自国の産業保護などを目的として、その利用を規制するザンクトガレン協定を批准したのに対し、発展途上国においては、その低廉性と汎用性から、エグゾフレームは急速な勢いで普及していた。 アメリカ合衆国・海兵隊所属のボウマン中尉は、多国籍軍の一員として地域安定化作戦のために派遣されたアフリカ・アンゴラ共和国カビンタ州で、すっかり生活の一部に溶け込んだエグゾフレームの姿を目撃し、その軍事兵器への転用、そして米軍での採用の可能性を危惧する。 上官はそれを一笑に付すが、直後、渡河作戦中の海兵隊は、エグゾフレームに搭乗した武装集団の襲撃を受けることになる。この戦いを境に、世界の戦場は、その姿を決定的に変えていく。

  • 脚本:虚淵 玄(ニトロプラス)
  • 絵コンテ:篠田周二(武右ェ門)
  • 演出:山田裕城(武右ェ門)

O03 MIYAJIMA REI

SIACHEN GLACIER - 2016

2016年、各地の武装勢力やテロリストがエグゾフレームの利用をはじめ、各国政府もその軍事的可能性に気づきつつあったが、ザンクトガレン協定の存在が、正規軍での採用を阻んでいた。その例外がインド陸軍だった。 カラコラム山脈東部シアチェン氷河、インド軍山岳特殊部隊ラダックスカウト基地。標高6000メートルで隣国パキスタンと国境問題を抱えたこの地に対応可能な装備は、エグゾフレーム以外存在しなかったのだ。その極限の地に、陸上自衛隊所属の三谷島黎と名乗る男が、視察のための交換将校として訪れる。 隊長であるワンチョク大尉からエグゾフレームの手ほどきを受けた三谷島は、彼らとともに定期パトロールに赴き、そこでパキスタンの特殊工作部隊のものと思しきエグゾフレームに遭遇。氷河を舞台にエグゾフレーム同士の戦闘が勃発する。

  • 脚本:虚淵 玄(ニトロプラス)
  • 絵コンテ:篠田周二(武右ェ門)
  • 演出:山田裕城(武右ェ門)

O04 LOEWNER

PERSIAN GULF - 2017

2017年、エグゾフレームの脅威が日に日に高まる一方で、世界各国は有効な対策を打ちだせずにいた。その空白を埋めるかのように台頭してきたのが、エグゾフレームによって武装した現代の傭兵、民間軍事会社(PMC)だった。 そのひとつ、サーベラス警備保障の新入隊員であるレブナーは、中東の石油ターミナルに護衛として派遣されていた。警備中、女性技術者と交流し、エグゾフレームの来歴について思いを馳せるレブナーだったが、隊長はそんな彼に、民間人と親しくするなと釘を刺す。 やがて施設に対するテロリストの襲撃が始まり、雲霞の如く押し寄せるエグゾフレームから職員を守ろうと戦うレブナーは、隊長の言葉の意味を知ることになる。

  • 脚本:虚淵 玄(ニトロプラス)
  • 絵コンテ:篠田周二(武右ェ門)
  • 演出:山田裕城(武右ェ門)

O05 SOLDIER BRAT

SUB_SAHARA - 2016

世界の紛争地帯においてエグゾフレームはあたりまえのように使われるようになっていた。そして、銃よりも安く手に入り、誰にでも簡単に操縦できる……そんな特性の一番の犠牲になったのは幼い少年少女たちだった。 行き場のない子供にエグゾフレームを与え、捨て駒にする……そんな光景が世界中の戦場で繰り広げられていた。ジャマルとカイラも、そんなエグゾフレームに乗った子供兵だ。ろくな装備も与えられないまま、無謀な突撃を強要された彼らは迫撃砲に一方的に吹き飛ばされ、戦車に蹂躙される。 命からがら逃げ帰れば、待っているのは指揮官の怒号と暴力。そんな日々をただ耐えるばかりの彼らの前に、ひとりの男が現れる。ドクロのエンブレムが描かれたエグゾフレームに乗ったその男は、ザーヒルと名乗り、少年たちを戦士に鍛え上げると告げた……。

  • 脚本:大樹連司(ニトロプラス)
  • 絵コンテ:篠田周二(武右ェ門)
  • 演出:山田裕城(武右ェ門)

O06 JAMAL

SUB_SAHARA - 2021

「オレは貴様たちを戦士に鍛え上げる」ジャマルやカイラたち子供兵にそう告げた男の言葉は、時を経ず現実のものとなった。 ザーヒルの教えのもと、エグゾフレームの真の使い方を学んだ少年少女たちは、戦場となった都市を自由自在に機動。かつては一方的に蹂躙されるだけだった戦車や戦闘ヘリといった兵器を、逆に翻弄するまでになっていた。 「戦士」となった少年たちは、ザーヒルを真似て、ドクロのエンブレムをみずからの機体に描くようになる。だが、そんな戦いの日々に、終わりは唐突にやってくる。アフリカ連合の介入により、彼らの国の内戦は集結。ジャマルたち子供兵が、武器を捨てて普通の少年少女に戻り、学校に通える日がきたのだ……。

  • 脚本:大樹連司(ニトロプラス)
  • 絵コンテ:篠田周二(武右ェ門)
  • 演出:山田裕城(武右ェ門)

O07 RESHEP

AZANIA - 2021

2021年。エグゾフレームの市場流通や利用を制限するザンクトガレン協定に反対する国際的な流れが生まれる。その筆頭とも言えるアザニア共和国の軍事パレードに世界が注目する。内線から奇跡的な経済復興を成功させ、新生アフリカ連合の実質的な指導者と言われるアザニア共和国大統領ライラ・レシャップは、エグゾの積極的利用を推し進めている。先進国への技術依存から脱却し、南北格差を解消する技術的独立論を体現するアザニア陸軍エグゾ師団がパレードに登場する。その機体は謎の部隊アウトキャスト・ブリゲードのものに酷似していた。身分を偽り、世界の戦場を調査していた海兵隊隊員、ボウマン、ミヤジマ、レブナーは集めた情報をもとに、何者かがエグゾの戦場での運用を拡大させている何者がいると結論。すべての黒幕は、レシャップなのか......?

  • 脚本:虚淵 玄(ニトロプラス)
  • 絵コンテ:篠田周二(武右ェ門)
  • 演出:山田裕城(武右ェ門)

O08 AREA51

2022

2022年。エグゾフレームを解析し、異星人のテクノロジーを解明しようとする試みは、世界各国が莫大な予算と最高の人材を投入したにもかかわらず、すべて失敗に終わった。アメリカ・エリア51で行われていた異星人技術解析計画「プロジェクト・ゼノゲージ」も凍結され、今では原理の解明ではなく応用を模索しようとする異端者が後釜に座っていた。そこにはボウマンたち海兵隊員の姿も。レシャップに対抗する力を求める彼らとエリア51の研究者の思惑が一致したのだ。そして開発された海兵隊用エグゾの試作機。新たにボウマンの元に配属されたフェルナンドはその存在に驚く。それは形骸化するザンクトガレン協定を決定的に崩壊させかねない存在だった。エグゾの軍事的有用性とアザニアの危険性に関する報告を握りつぶし、曖昧な態度をとり続ける上層部に、彼らは決断を迫ったのだ。そしてもし政府が現実を受け入れることを拒否するならば、その時、彼らは......。

  • 脚本:大樹連司(ニトロプラス)
  • 絵コンテ:篠田周二(武右ェ門)
  • 演出:山田裕城(武右ェ門)

O09 CARHUINCHO

PERU_ECUADOR BORDER - 2023

2023年、エグゾフレームの普及による既存産業への打撃は先進国の経済を弱体化させ、国際秩序の混乱に繋がった。世界各地で勃発する紛争や内戦を止められる者はどこにもいなかった。そのひとつ、エクアドルとペルーの国境紛争は周辺国を巻き込み拡大。謎のエグゾフレーム部隊からの激しい砲撃に晒される前線基地を守るべく出動したペルー軍ジャングル師団エグゾフレーム小隊は、敵を捕捉できないままスナイパーに次々撃破されていく。姿なき敵の手がかりはカルウィンチョという解読されたコールサインだけ。錯乱した部下の一人は、敵の正体はアンデス神話の火の神・カルウィンチョだと叫び、機外に出ようとしたところを射殺されてしまう。ついに最後の一人になってしまった隊長は、敵スナイパーの痕跡を発見し、これを撃破すべく山を登っていく。山頂には神殿の遺跡があった。数多の血が捧げられてきた生け贄の祭壇で、隊長を待っていたものは......。そしてカルウィンチョの正体は......。

  • 脚本:虚淵 玄(ニトロプラス)
  • 絵コンテ:篠田周二(武右ェ門)
  • 演出:山田裕城(武右ェ門)

O10 SANTA MUERTE

SONORA_ARIZONA - 2025

2025年、メキシコーアメリカ国境の砂漠を歩くエグゾフレーム郡。それに乗り込む人々は、アメリカへの密入国を手引きする代わりに麻薬を運ぶことを強要されていた。そのひとりである少女は、隣り合わせた少年から死の聖人サンタ・ムエルテのお守りを貰う。そこに迫撃砲弾を搭載したドローンが襲いかかる。積み荷を狙う敵対カルテルの攻撃だ。生き残りは少年少女二人と手引人の「コヨーテ」のみ。追撃するカルテルのエグゾに襲われるが、二人を逃がすため少年が犠牲になる。ようやく辿り着いた国境。そこには建設途中で放置された壁があった。ペドラーとエグゾの出現で、合衆国も崩壊しつつある現実を教え、密入国を諦め自分を手伝うよう諭すコヨーテ。だが、あくまで先に進もうとする少女。国境を越えた彼らは南部の自警団に発見される。コヨーテは少女を逃がすために突撃していく。ただ一人生き残った少女はエグゾを捨て、自分の脚で歩き出す。

  • 脚本:虚淵 玄(ニトロプラス)
  • 絵コンテ:篠田周二(武右ェ門)
  • 演出:山田裕城(武右ェ門)

O11 FREYJA

BARENTS SEA - 2030

2030年。どんな環境でも稼働可能なエグゾフレームは海中でもその能力をいかんなく発揮。それは水中が新たな戦場になることを意味した。ノルウェー海に隣接するバレンツ海。対潜水艦ソナー網の保守点検に当たる偽装民間会社の作業員ヤンとフレヤ。頻発する海底ケーブルの切断事故は、ロシアによる破壊工作の可能性が指摘されており、彼の乗る水中作業用エグゾにも自衛のため爆破可能な水中無人機が搭載されいる。工作員の存在をただの噂だと一笑に付していたヤンだが、それは実在していた。ロシアの水中工作エグゾの攻撃を受け、これを搭載無人機で回避するも、気絶してしまうヤン。気づくと周囲に敵の姿はない。逃げたか、あるいは近くに潜んでいるのか。状況は膠着するが、ヤン機の酸素残量は残り少ない。一か八か浮上しようとするヤンをフレヤが止め、次の瞬間、残った無人機の爆発の振動で敵機の位置を発見。ヤンは敵に接近し格闘の末に撃破する。フレヤと会話しながら浮上するヤン。だが実は彼女は......。

  • 脚本:大樹連司(ニトロプラス)
  • 絵コンテ:篠田周二(武右ェ門)
  • 演出:山田裕城(武右ェ門)

O12 九葉このか

L1 LAGRANGIAN POINTS - 2444

地球全土に拡散していくエグゾフレームの調査を進めるボウマンら海兵隊員たちは、ひとつの映像資料を入手する。そこには400年後の恐るべき未来が映し出されていた。2444年、エグゾの戦場はついに宇宙に拡大する。

  • 脚本:鋼屋ジン(ニトロプラス)
  • 絵コンテ:篠田周二(武右ェ門)
  • 演出:山田裕城(武右ェ門)